コロナ禍で社会が止まったように感じました。

個人の生活は、それでも、止まりません。

むしろ、強く浮かび上がって感じられるくらいです。

起きる。トイレ行く。顔をあらう。朝食をつくる。食べる。かたづける。あそぶ。お茶する。お昼をつくる。食べる。かたづける。昼寝する。あそぶ。夕食をつくる。食べる。かたづける。お風呂にはいる。歯を磨く。しっとり、あそぶ。ゆっくりと、眠りに向かう。眠る。

休める仕事を休みにしたり、自分の積極的な意思の外側でそもそも休みだったりで、私は、子ども2人と妻と一緒に、いつもよりも社会との肉体的な接点の薄い日を繰り返していました。

もちろん、仕事をする日もありました。家事や雑事、好きなことをする日もありました。

私は、楽器を弾いたり、歌ったりするのを長く続けています。止まることなく、この期間も、相変わらずずっとやっています。

「家でできる範囲のこと」はもともと私の営みの中心なので、正直、社会が止まっても、影響が少なかったようです。「影響がない、相変わらずだ」は言い過ぎかもしれませんが、私の営みが根底から破綻するというようなことはなかったのです。そもそも、「自分」が私にとっていちばん大きなテーマ。社会の歯車のひとつとして機能していた自分は、確かに、社会が止まるのに合わせて、一緒に止まった部分もあるかもしれません。しかしそれとは別に、生活をやめない、止まることのない私がいました。

社会がフル回転しつづけている中だと、私の一部はそこに組み込まれ、せわしなく回っているうちに、どんどん日々を過ごしていってしまいます。

自分の毎日。その構造、仕組み、枠、骨格をつくり変えるのは、大仕事です。特に、そうやって社会という巨大な機構が回り続けている最中で、自分の身の周りの構造をリビルドするのは気力と体力を要します。その自己改革が、コロナ禍における社会との肉体的な接点が薄い日々ならばできると思ったのです。

もちろんこの瞬間も、社会は物理面においても動いています。ところによっては火に追われるようにして、誰かが激しい舞踏を続けています。

誰かが誰かを、誉め称える。罵る。尊敬する。蔑む。いま、この瞬間もです。

だからなんだというのじゃありませんけれど、この期間に、私がこれまで大事にしてきたことをまじまじと見つめ、フォルムを眺め・認め、そのつくりを改めたり、守ったり、磨いたりして、自分を新しくしていこうという意志を強めました。そうやって、このところを過ごしています。その一環で、このブログをつくりました。

これからにそなえて、社会の歯車になるようなピースを、じぶんで作りたいと思ったのです。歯車をまわす機構そのものを自分で持ちたいと思ったのです。既に存在する、ビルドアップ済みの場ではなくて、自立した場を持ちたいと思ったのです。

まだ、「見ていただく」のによく気の回ったサイトになっていないかもしれません。やりながら、直していきます。見苦しくてすみません。その過程を一緒に楽しんでいただけたら、私はなお幸せです。

「ここまでやれば、納得いく!」と機をうかがっていたら、たぶん私は一生なんにもできやしません。だから、恥ずかしくて、未熟ないきさつを、随時共有していくべきだと考えました。こんな日記をみてもみなさんはおもしろくないかもしれませんが、内容の充実や見やすさへの配慮もこれからアップデートしていきます。

音楽とか本とか漫画とか、人の発するなにかしらの物理や精神を食べたり飲んだりする体験、あるいはそういうものをじぶんでつくって発信し、楽しみ、表現を更新していくつもりです。そんなサイト(場)にしたいと思っています。今はまだブレブレな編集方針ですが、やりながら芯を通していきます。リアクション、助言や入れ知恵、歓迎です。

とにかく、やりたいと思ったんです。しかも、コロナ禍で社会との肉体的な接点が薄くなったこのタイミング。機会を得たとしか思えなくて。

お読みいただき、ありがとうございました。

青沼詩郎

この記事、このブログサイトのその後の経過についてのご報告がわりに下リンク先もご覧いただければ幸いです。

『カバーしたい歌 1年間で365曲カバーした話』

自己発信や表現について、具体的な思考や学びを独創と一般の塩梅よく私に授けてくれる存在が川崎昌平さん。著作『書くための勇気「見方」が変わる文章術』(2019、晶文社)『労働者のための漫画の描き方教室』(2018、春秋社)。川崎昌平さんの著作は、私が行動を起こすときの指針を加速してくれます。私がこのブログを立ち上げる行動を起こすのにも影響しています。

『はじめてのブログをワードプレスで作るための本[第3版]』(2021、秀和システム)。私がこのブログを立ち上げることができたのは、じぇみじぇみ子さんのこの本のおかげ。ブログをつくるための具体的で詳細で精確な道案内です。版を重ね、情報を最新のものにアップデートしています。この本のとおりにするだけで、本当に私はスタートラインに立てました。