晴れのち雨は降る

2006年の忌野さんのソロアルバム『夢助』に入っていて、忌野さんの没後にリリースされたシングル『Oh! RADIO』のB面にもスタジオセッションが収録された曲。

「RCサクセションがきこえる」と、己が心血を注いだ看板、固有名詞をモチーフに印象づけるサビにコンテクストがたちこめます。朗々としたなめらかで高らかなメロディと歌声に乗って、己が所属し動いてきたバンドの功績を自分に問うようなユーザーにあらためて問いつつ、「何度でも夢を見せてやる」と頼もしくもあります。「激しい雨」の主題はまさしく、私の予期を超越した多様なハードルが日々社会から宇宙から自然から課される世の中の様相です。雨が降りそうな季節をはずれて雨は降るもの。季節を渡る、季節を超越した事の起こりの象徴が雨なのです。

「誰もが見守ってる 世界は愛しあうのか」。いがみあうのか、愛し合うのか。どっちを選びますか。「季節はずれの激しい雨が降ってる たたきつける風が泣き叫んでる お前を忘れられず 世界はこのありさま」没後にこの歌詞がさらに多層な意味を持つと知っていたら、ご本人らはこの曲を書けたでしょうか。死にむかうのがあらゆる生命の定義ですからもちろん前提ではあるでしょう。

激しい雨 忌野清志郎 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:忌野清志郎、仲井戸麗市。忌野清志郎のアルバム『夢助』(2006)に収録。

忌野清志郎 激しい雨(アルバム『夢助』収録)を聴く

忌野さんの声の音のとりかたが天から降り注ぐ雨みたいに腰がかるい。風に吹かれて自由です。空気のようにさらっとしているのに水のようにどちゃっと重く、粘りがあります。すごいことです。

ペンタトニックスケールの歌心にじむ竿もの楽器のリフレインが特徴。ピタっとメロディを合わせてベースギターもギターも、さらにはホーンセクションも合わさってシンクロします。季節外れの激しい雨を受ける人類の足並みよ。

右のエレキギターのウラウラ拍のニュアンスが弾んでいます。ホーンセクションのパーパー!と高らかな音を出してはピタっと止まる、切れるタイトさにこちらの身も締まる思いです。

左右にふられたエレキギターにドラムにベース、左に少しひらいてピアノ。ハーモニーなしの単一の忌野さんのリードボーカル。ホーンセクション。必要十分にして豊か。ファッショナブルなのに裸一貫みたいなバンドサウンドがもはや名人芸です。世界は愛し合うのかどうなんだ。

青沼詩郎

2006.05.14 Private Session

参考Wikipedia>夢助

参考歌詞サイト 歌ネット>激しい雨

地味変 忌野清志郎公式サイトへのリンク

『激しい雨』を収録した忌野清志郎のアルバム『夢助』(2006)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『激しい雨(忌野清志郎の曲)晴れのち雨は降る【ギター弾き語り・寸評つき】』)