くるり Jubilee

くるりのアルバム『ワルツを踊れ』(2007)収録曲。

ライブベストアルバム『Philharmonic or die』(2008)にウィーン・アンバサーデ・オーケストラとの共演が収録されている(上のリンク先の動画がそうか)。

後奏が曲の尺の半分ほどを占める。クラシックの要素をもちつつ、あくまでロックでポップで、歌だと思う。純粋な音楽で、風景も感情も意思も含まれている。複数のジャンルにくるりという集団が掛かって乗っている、唯一無二の音楽作品。最近のくるり作品に寄せて言うなら、万博的な。『Jubilee』単体についてもそうだし、アルバム『ワルツを踊れ』についてもそうだし、くるりの歩みが万博的。

Jubilee』後奏。ずっと低音に主音を置いて保続。その上で、主和音の長和音が途中で短和音に変わってまた戻ったりする。和声が光ったり翳ったり、揺らめきと明滅をくりかえすかのよう。準固有(マイナースケール)を思わせる音やセブンスの音もストリングスの旋律に含めて徐々に高揚と緊張を高め長尺を綴る。

歌詞のある部分も分数コードを多用。クラシックっぽさを感じさせる。後奏も分数コードで分析できなくもないけど、もはや主音上にサブドミナントが乗っているのかドミナントが乗っているのかよくわからない。混沌の物語から希望が孵化するかのよう。

(岸田繁Twitterより)

リンク先の一連のツイートをぜひ読んで欲しい。歌詞の完成に至る経緯までも物語のよう。私自身が学びを得たような気になる(この話、何かのメディアのインタビューを見聞きして知っていた。なんだったっけ)。聴き、知る程にますます好きになる。

ストリングスアレンジ岸田繁と作曲家のフリップ・フィリップの共同。フリップ・フィリップはウィーン交響楽団のパーカッショニストだそう(参考)。

土岐麻子のJubilee

2月17日に土岐麻子カバーアルバム『HOME TOWN ~Cover Songs~』を発売。その先駆けに1月20日、くるりのカバー『Jubilee』を配信した。

歌とゆらめくオルガンのイントロ。祝福するみたいに、厳かに、やさしく。長い後奏のかわりにちょっと増した尺の間奏を入れるなど工夫を交えた構成とアレンジで、爽やかでポップに歌い上げていて好感。

青沼詩郎

くるり 公式サイトへのリンク

http://www.quruli.net/

土岐麻子 公式サイトへのリンク

https://www.tokiasako.com/

くるりのアルバム『ワルツを踊れ』(2007)

くるりのライブベストアルバム『Philharmonic or die』(2008)

『Jubilee』を収録した土岐麻子のカバーアルバム『HOME TOWN ~Cover Songs~』(2021)

ご笑覧ください 拙演

青沼詩郎Facebookより
“管・弦楽器をたくさんつかってウィーンで収録された唯一無二のロックソングアルバム、くるりの『ワルツを踊れ』(2007)より、シングル曲でもある『Jubilee』。
サビメロから発想したという。「ジュビリー」という歌詞はあったが、それ以上?歌詞が書けなかったそう。
“当時、極度に歌詞書けなくなってた私は、ドイツ人のコーディネーターに悩みを相談した。彼は、すぐ書けるよ。何故なら素晴らしいこの音楽が風景や心の綾を描いているから、それをそのまま言葉にすればいい、と言ってくれた。目から鱗が落ち、スルスルと歌詞が完成した。”(2021年1月20日午後1:02 岸田繁Twitterより引用)
とのこと。曲が完成に至るこの経緯が物語のよう。私も歌詞で悩むことがあったら、この話を思い出したら書けそうな気がする。
そんな経緯を思わせる劇的な後奏が収録時間の半分ほどを占める。ストリングスが歌い、響く。和声の陽と陰が入れ替わり、開いたり閉じたり緊張したり弛緩したり。
土岐麻子が2月に出すカバーアルバムの先駆けに、1月20日からカバー『Jubilee』の配信をはじめている。壮麗な曲想をコンパクトで爽やかなポップにしていて好感。
大好きなアルバムのお気に入りの曲を改めて色んな楽しみ方で味わった。やっぱりいい曲だし今まで思ってたよりもさらにもっといい曲だと思った。”