高等学校に入学して、私は軽音楽同好会に入った。そこでバンドを組んでさんざんコピーしたのがHi-STANDARDだった。

Hi-STANDARDのオリジナル曲をたくさんやったけれど、Hi-STANDARDによるあんしんパパのカバー『はじめてのチュウ』もやった。

『はじめてのチュウ』はアニメ『キテレツ大百科』のオープニング、もしくはエンディング曲として有名だと思う。私はアニメを見ていなかったため、先にハイスタのカバーからこの曲に触れるという順番になった。

オリジナルの『はじめてのチュウ』の歌い手、あんしんパパの正体は作詞・作曲・編曲者の実川俊晴。この特徴的な声色は、テープの回転速度を上げて得られるらしい。それ以外の工夫や技術行使もあるという。

非公式な投稿かもしれないが、「回転速度を上げる」というテクを用いて出来上がった原曲の回転速度をまた改めて落としたっぽい音源(?)がYouTubeでヒットした。「実川俊晴氏の地声はこんな感じかも」といった趣向か。これを聴くと、コーラスかフェイザーみたいな効果と、近年大流行した(そしてもうまわりきって聴き飽きたかなと個人的には思う)「ケロケロボイス」的な効果がうっすら乗っているような感じもした。単に回転速度を落としたことで乗る効果かもわからないし、実際のところ、原曲に「テープの回転速度の変更」以外にどんな技術がつかわれているのか詳細は不明。

曲、歌詞、サウンドどれをとってもキャッチ力が超一級で、多くのミュージシャンにカバーされている。コードが大胆に変わっているもの、メロディが違うものも多い。

たくさんあるそれらカバーテイクを、実川俊晴ご本人がご本人によるサイトで紹介している。解説・コメントがついていて、非常に細かく分析してある。原曲との違い、カバーテイクに感じられる工夫・趣向の要点が分かりやすく述べられている。

実川俊晴ホームページ『カバーしてくれてありがとう INDEX』
https://www.real-river.com/covr/index.html

実川俊晴はメディアに姿をさらさないポリシーがあるのかもしれないが、木村拓哉とコラボレーションしたときの映像がYouTubeにある。

彼のホームページを徘徊していたら、すばらしいものに出会ってしまった。『しーしーガガ』(2017)という作品で、シンガーのyayoiを実川俊晴がプロデュース・作詞・作曲・編曲したものだ。彼のホームページで紹介されている。https://real-river.com/blg/?p=715

YouTube上にフルバージョンを見つけた。どうしても全編聴いてほしい楽しさなのでリンクしておく。

愛ある批判と曇りの無い視線で郷土・滋賀を描いた全編の歌詞、それをパワフルに歌い上げるyayoiのボーカルが素晴らしい。「滋賀」と「Lucky」に「ヤキ」を加えて「信楽焼」と聴こえる、中低域の実川俊晴の怪コーラスパートが絶妙。「滋賀」の音韻を「しーしーガガ」にしてしまう遊びのセンスは琵琶湖級。

実川俊晴ホームページ Real-River Music
https://www.real-river.com/

あんしんパパ『はじめてのチュウ』(2006)。

『My First Kiss』を収録したHi-STANDARD『Love Is a Battlefield』(2000)

ご笑覧ください 拙演

はじめてのチュウの余談(追記)

松本まりか鏡月焼酎ハイのCMに出演。『はじめてのチュウ』の歌唱を披露(2021年3月2日〜テレビCM放映とのこと。参照:宣伝会議 AdverTimes.)。特徴ある声質の引力がすごい。

松本まりかといえばファイナルファンタジーⅩリュックという活発な少女の役を演じていて、ゲームも演技も大変楽しませていただいた。

ファイナルファンタジーⅩのスタート画面では『ザナルカンドにて』という非常に美しい曲が流れる。植松伸夫の作曲だ。私はとても気に入って、聴き取ってピアノで真似して弾いた(もともとファイナルファンタジーのために書いたものでなかったという)。

サムネイルのキャラクターがリュック

ファイナルファンタジーⅩには続編『X-2』がある。Ⅹが非常にあとをひく結末の物語だったため、『Ⅹ-』2への意欲が湧いた。新キャラクターを加え、松本まりかが演じたリュックを含む女性3人が主役。新しいイメージを企図したのか、かなりハジけたノリのオープニングに面食らったのは私だけだったろうか。倖田來未『real Emotion』を主題歌にしているのも斬新すぎて、ちょっと感性を追い越されてしまった気分になった。もちろん本編はつつがなく楽しんだ。

青沼詩郎