愛を漁り彷徨う好色
6+2小節のAセクション。
9小節のBセクション
7小節のCセクション
4小節のDセクション(サビ?)
摩訶不思議な構造がふらふらとあちらこちらに神出鬼没し色を漁る情愛狂を思わせる楽曲の意匠です。
“こんなに真面目に 愛しているのに 昨日や明日は関係ないだろう”
“女は不思議だ くちづけするより 綺麗な約束ほしがるものなのか”
(『憎みきれないろくでなし』より、作詞:阿久悠)
その日限りの関係でもその瞬間は本気なのだとでも主張するのでしょうか、でもその瞬間はやっぱり最高に魅力的だから“憎みきれないろくでなし”の主題どおりの好色漢なのか。
“ひとりも不幸にしたくはないと 天使の気分でいるけれど 最後は疲れて私の胸で 眠るつもりでいるのでしょうね”
(『憎みきれないろくでなし』より、作詞:阿久悠)
オトコを“天使”に喩えることも成立しうるでしょうが、この“憎みきれないろくでなし”が女性である場合も考えられます。その場合は、数多いる世の女はくちづけするより綺麗な約束をほしがるものだというが私はその限りではない、なので「ものなのか」と疑問形としているということになります。
自分で自分の“憎みきれないろくでなし”な一面を切り離して詠む対象にしているようにも思える、主観のポジショニングがどこか遊離しているところも本曲の腰の据えどころの浮いた独特に魅力につながっていると思います。これを永遠の挑戦者・ジュリーが歌うんだからおあつらえ向きです。
憎みきれないろくでなし 沢田研二 曲の名義、発表の概要
作詞:阿久悠、作曲:大野克夫。編曲:船山基紀。沢田研二のシングル、アルバム『思いきり気障な人生』(1977)に収録。
沢田研二 憎みきれないろくでなし(アルバム『思いきり気障な人生』収録)を聴く
ジュリーの歌声が深く轟く音響空間を漂います。ギュイーンと情欲のはしごを上り下り滑りまくる歪みの深いギターが夜のビルの谷間を渡り歩きます。
パパパパ!とトランペットが戦隊モノの劇伴のような筋肉質な隊列をキビキビと演じます。スネアドラムのストロークとピタっと合わせた圧巻の瞬間。
ベースがグネグネとよく動く腰つき。妖艶です。
Bメロで急に静かになる。不気味なくらい緩急に満ちています。山と谷の落差よ。雲が上空を漂うようにヴァイオリン族が歌います。
歌うといえばバックグラウンドのボーカル群。ウーウゥー〜……と短2度で縫い針を刺しては縫いて……字のごとく刺繍音でいやらしい腰つきを思わせる。
エンディングも戦隊モノ劇伴みたいにキメキメで終わる。なんかおわりよければすべてよしみたいにしようとしてるし憎みきれないろくでなしに着地してテヘペロ⭐️って終わろうとしているけれど、結論“ろくでなし”なんだからな。「憎みきれない」の冠がついたとしてもろくでなしはろくでなしなんだからな。
青沼詩郎(べつになんの恨みもありません)
参考Wikipedia>憎みきれないろくでなし、思いきり気障な人生
沢田研二オフィシャルへのリンク 2026年もライブたくさん。
沢田研二のアルバム『思いきり気障な人生』(1977)
ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『憎みきれないろくでなし(沢田研二の曲)愛を漁り彷徨う好色【ピアノ弾き語り・寸評つき】』)