音楽とことばの生活路。

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ウルフルズ『笑えれば』 感じ入った時間の幅

きれいなコード進行。低音を、階段を一段ずつ降りて行くように(順次下行)滑らかにつないでアコースティック・ギターで弾くことができる。メロもサビもおおむね同形。この安定の進行上でドラマの歌詞が踊る。自省的でもある。諦観もどこか漂う。無情と人情が薫る。理想と現実がせめぎあうCメロ。
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スキマスイッチ『全力少年 produced by 奥田民生』 人格が出るプロデュース

ハーフブリッジミュートのエイト・ビートの押し出しがもう明らかに奥田民生弁である。歌い出しの声を奥田民生なんじゃないかと聴きまがう。イヤイヤ、大橋卓弥でしょう、スキマスイッチのボーカルは。そう、よく聴けばちゃんと大橋卓弥だ。でも、歌い出しには奥田民生ソウルが明らかに宿って聴こえた。ソウルかロックかブルースか知らん。プロデュースのチカラってすごい。
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人形の逃避行 奥田民生『風は西から』MV

ハーフブリッジミュートのエイトビートギターの押し出しが疾走感を出しています。クルマが似合う曲が多すぎる奥田民生。合いの手、リード・ソロギターも爽快でカッコイイ。ボーカルのダブりも。曲の最後のほう、歌詞「いつごなびおーーらーーーい」のところで出てくるマイナーセブンスコードとボーカルメロディのⅲ♭が最高にスパイス効いてます。ブルー・ノートですね。
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レポート『京都音楽博覧会2020』 ライブとレコーディングの半生

出演者側が表現のために必要な息継ぎを適切なタイミングで適量とり、プロローグ風映像をはさむなど必要な「編集」を経て演出された今回は、より完璧な「パッケージ」に近いのではないかと思う。ライブよりも「レコーディング」寄りだ。とはいえ、あくまでその手触りは一発で録音されたライブのそれである。会場内に観客はいないから「ライブ・レコーディング」とも違うかもしれない。しかし、私は時間芸術の緊迫を確かにここに感じている。「ライブ」と「レコーディング」の両方の性質を併せ持っている。「半生」とでもいっておこう。
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グレイテスト・バカ The ピーズ『バカになったのに』

バカって褒め言葉なんだよな。“自堕落ばかりがモテすぎる”というたった一行から、私はそんな「俺」を重ねる。そういう対極像から影響を受けて『バカになったのに』、なったのに、だよ…? ばかー!!って言いたくなる現実。それをこの歌で叫んでいる「俺」。最高か!
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来生たかお『夢の途中 Duet With 薬師丸ひろ子』 転調のカラクリと薬師丸ひろ子の円熟、来生たかおのクール・ボイス

『夢の途中 Duet With 薬師丸ひろ子』は『ザ・プレミアムベスト 来生たかお』(2009/03/18、ユニバーサルミュージック)に収録されている。薬師丸ひろ子の歌声は、少女時代のそれとは違った艶と芯、コントロールの技量が感じられる。
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【音楽日記】南佳孝『スローなブギにしてくれ(I want you)』を聴いたり 自作を聴いたり

昨日は南佳孝の『スローなブギにしてくれ(I want you)』が素敵だと思った。これ、斉藤和義がカバーしていた。私はそっちを先に知った。確か『紅盤』に入っていた。南佳孝の原曲はシングル、アルバム『SILKSCREEN』(1981)に収録。ドアタマの長3度をかさねたオーギュメントが必殺。”I Want You”。ブルーノートをつかったメロディが最高。昨日は『SILKSCREEN』をかけながらメシを食っちゃった。いつも家族を巻き添えにしている。
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雪のやわらかさと血のにおい アニメ『鬼滅の刃』第一話 残酷

ずっと雪が降っている。ふわふわと舞い降りる質感が美しい。キャラクターの手前に、奥に。アニメーションの技巧的な部分にも気がついて、魅力に思った。モダンな技法?を含めてみるむかしばなしのようなファンタジーの世界。血がにおい、殺伐としてもいる。炭治郎のいたたまれない感情も私に流れ込んでくる。イヤよかった。
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黄昏の環 あいみょん『おいしいパスタがあると聞いて』より『黄昏にバカ話をしたあの日を思い出す時を』を聴いて

アルバムの方向を予感させる1曲目。私はこれを歓んで迎え入れている。はじまりの一曲でありながら、たとえばライブの最後に聴いてみたいとも思う。黄昏は、始まりと終わりが重なる不思議な一瞬だ。