友達からの連絡で、YATSUI FESTIVAL!2020を知った。

主催者のやついいちろうを、お笑いコンビのエレキコミックとして知っている人もいるだろう。

もうずっと前だけど、私はライブハウスで彼を見かけたことがあった。それで、やついさんは音楽好きなんだなと思っていたけれど、まさかフェスまで開催していたとは今更ながら知った。

フェスに出るいろんな人を追って、新しい音楽を知るというのは常套手段だと思うけれど、今まであんまりしたことがなかった。それ以前に、フェスにあまり行ったことがない。

やついフェスの出演アーティストを眺めていたら、崎山蒼志(さきやまそうし)というシンガーソングライターを見つけた。(やついフェスはコロナの影響でオンラインフェスに切り替わった。オンラインフェスのページに崎山蒼志の姿が見当たらないので残念ながら彼の出演はなくなってしまったのかもしれない。それはともかく)

高校生3年生だという。ストリーミングサービスで、彼の音楽をいろいろ再生してみる。

天才か。アコースティックギターのリズミカルなストロークがトリッキーで確実。コロンとしてサックリとした軽みと爽快さのある音色はオベーションギターのよう。

声がユニーク。まるで日本語を母語としない者の発音にも聴こえる。けど、浜松市出身・在住だという。

私が特に好きだったのがアルバム『いつかみた国』(2018)収録の『ソフト』。

セブンスを多用しまくったコードが和音進行マニアの私にはたまらない。全部の弦をストロークしてリズムを出しつつも、省略も利いて見える。ミュート、あるいは開放弦も活きている。

コード進行としてはポップの骨格を保っているけれど、代替コードのセンスが凄まじい。多彩なコードで肉付けをしているといもいえるし、殺伐と鋭く削いでいる。なんなんだこの切れ味は。インパクトがでかすぎる。一晩中リピートしてアルバム音源の『ソフト』を聴いた。

出だしの歌詞で、やわらかいビニールボールを想像する。ソフトが意味する、やわらかさとは。なめらかさとか、肌触りを想像させる語でもある。

アルバム『いつかみた国』は2018年だから、彼が高校1年生のときの発表ということになるかと思う。先に貼付けた映像は今年3月のものみたいだ。曲も、成長したのかもしれない。細部のコードがアルバム音源とやや異なるところもあるみたいで、また夜な夜な繰り返し聴いてしまいそうだ。このライブ映像の終わり際、彼なんて言っているんだろう。「すいません」にも聴こえるけど短くてわからない。内気なのかしら。いや違うか、「ソフト」って曲名を言ったのかな。彼のことをまだ私はよく知らない。いま、すごく注目している。

青沼詩郎

崎山蒼志 
https://sakiyamasoushi.com/