続きを読む かまやつひろし『どうにかなるさ』 愛の自覚者 100通り1000通り10000通りの人生があったなら、二人で至る幸せもあったのか。主人公は変化をのぞむ性格のよう。希求者であり、成長をのぞむ人。変わり続ける中に変わらないものを見出す…特定の人と歩み続ける幸せには遠い人か。
続きを読む ハンバート ハンバート『どこにいてもおなじさ』歌詞のグッとくるところ 〜君と生きる意思〜 確かに、そういう、タフな人もいくらか世の中には存在しているかもしれません。でも、多くの人は、タフのほうにも、誰かに強く依存しなければ生きていくことさえままならないほどに弱々のほうにも振り切らない程度の、中くらいのところをふよふよしているのではないでしょうか。私自身がきっとそうであるように。その中で、最も弱々寄りに位置している自分が、この歌にすごく反応して、私は共感するのです。
続きを読む ZARD『負けないで』通じ合った二人の文脈 応援歌、といった表面の印象。精神を鼓舞し合う純(す)んだ愛情が表で、裏面はおどけたジョークの通じる二人のラブソングかもしれません。そんな二面を感じました。
続きを読む THE BLUE HEARTS『ラブレター』はなぜ美しいか 要所の3度のハーモニー コードの平易さ、言語の平易さを守った上で独創性を発揮するのは至難の技であり、それを実現しているのがTHE BLUE HARTSの尊敬すべきところのひとつだと思っています。
続きを読む YMO『君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-』 精通者の純愛 柄にもなく純情な気持ちで胸をときめかせている主人公とは裏腹に、お相手のほうは肉汁したたるモーションだったとしたら……この絵図にはおかしみがあります。音楽精通者グループの最後期にまさかの胸キュン。
続きを読む 岩崎宏美『すみれ色の涙』 現実の無情の滴り ブルー(青)に、現実の無情が滴り落ちると「すみれ色」に。一般と固有、淋しさの本質、平行調へつながるⅢ7、編曲:萩田光雄の妙技……知る・思うこと満載でした。原曲はジャッキー吉川とブルー・コメッツ。
続きを読む ジッタリン・ジン『プレゼント』 贈り物に映る人柄 ちょっとクセのある具体物を歌詞に込めつつも、聴き手それぞれに固有の体験を想起させるのがジッタリン・ジン『プレゼント』の秀逸なところです。メロのほとんどを同じモチーフの反復のみで聴かせてしまえるすぐれたアイディア。
続きを読む カバーしたい歌 1年間で365曲カバーした話 のらりくらり1年。音楽の語彙が増えました。枠や質量を観察すると、ポップソングも決して得体の知れない魔法ではないと思えます。広い視野と鋭い深さをもって、私自身にとって、あなたにとってのカバーしたい歌を生み出し続けたい。
続きを読む さとうきび畑 魂の衣擦れ “ざわわ”に込めた悲しみのリフレイン 鑑賞する、関連記事から知識を得るなどする都度、何度でも涙がにじんできます。“この悲しみは消えない”の通り。風の音、“ざわわ”がずっとリフレイン。時間の隔たりを増すばかりの史実。舞台は島でも、現実と地続きの歌。
続きを読む 岩崎宏美『ロマンス』 恋のソワソワに添う妙構成 若い主人公の恋愛のソワソワを表すかのような構成です。演奏がいきいきとする編曲だといえるし、演奏者の技量がそれに応えています。精神の成熟によって感じるそれは、恋愛、あるいは性愛。作詞:阿久悠、作曲:筒美京平。