心のままにdance!

同名の映画の主題歌。ケニー自身の作曲と、映画の脚本担当さんのディーン・ピッチフォードによる作詞からなる楽曲です。作詞に映画のほうの制作陣が直接携わると映画の内容を的確に抽出する作品になりやすい。然るべき手法ではないでしょうか。

アクセントの強い、明瞭なフォルムのドラムの4小節パターンのリズムにのってぐいぐいと足元がツイスト。それに乗ってギターのリフやカウンター、シンセなどが乗ってきます。あえて遠い音質のガヤっぽい声も映画のニギヤカなハイライトシーンを意識した演出に思えます。直線的なビート。

押韻や字脚のハマり方自体はキレイなボーカルですが、ケニーの歌い方や子音の引っ張り方・取り回しで歌唱にリズムにエッジとアクセントを与えて躍動させます。キレイなのにワイルド。名歌唱です。

サビの1拍目、あるいは4拍目から小節線を飛び越えて1拍目にかかるシンプルだが勢いのあるモチーフがジャズ名曲のメインモチーフみたいですね。マイルス・デイヴィスの『So What』とかアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの『Moanin’』を思い出します。おおまたぎなリズムの波と、チクチクとスピーディーな分割の波が共存・協調した気持ちよさ。

リズムを中心としたくっきりとしたなおかつパワフルな音像が時代を象徴するサウンドに思えます。

主題のFootlooseのニュアンスを私なりに解釈すると“心のままに”といったカンジでしょうか。ポジティブなエネルギーが自ずと爆発。主題に由来する青い衝動が見事に抽出展開昇華された名ポップソングです。

以下、参考ジャズ曲たち

Footloose Kenny Loggins 曲の名義、発表の概要

作詞・作曲:Kenny Loggins、Dean Pitchford。Kenny Logginsのシングル。アルバム『Footloose:Original Sound Track』(1984)に収録。映画『Footloose』(1984)主題歌。

Kenny Loggins Footloose(『Footloose: Original Motion Picture Soundtrack』収録)を聴く

ドラムが拍の表裏に強いコントラストを与えます。シンバルやハイハットの存在は補佐的。案外ベースが分割のニュアンスを出していて重音を用いたり演奏のニュアンスに富んでいて本曲の疾走感の中核だと気づきます。ピックで演奏したのかベランベランとアタックと音の粒の立ち上がりにキャラクターのある音色です。

ダンスの応酬をするように左右でかけあうエレキギター。リズムの合いの手を入れる高い音域のシンセサイザーの音色が狂喜乱舞の叫びを上げるように派手なインパクトを与えます。

高音域の倍音がボワボワいいすぎない、ダンスに適したタイトな音像。同時代くらいのマイケル・ジャクソンの音楽も本曲のようなキビキビした音像が多い気がします。踊るには拍がきちんとわかることが最重要なのです。

本曲が主題歌の映画『Footloose』を見ましたが、想像以上にダンス映画でした。監督も振り付け師のキャリアを持つ人らしい(なるほど)。踊る、すなわち身体を通した感情表現や自由を謳歌する主体の権利行使がこの映画の核心でしょう。主題を表現しつつエンターテイメント音楽として楽曲のみを切り離して鑑賞しても青く跳ねっ返ったエネルギーがほとばしります。こういう若さに世界を引っ張ってもらいたいと思える好チューンです。

青沼詩郎

映画『Footloose』について書いたこのブログサイトの記事へのリンク

参考Wikipedia>フットルース (1984年の映画)フットルース (曲)

参考歌詞サイト Genius>Footloose

歌詞の和訳が参考になる記事 世界の民謡・童謡>フットルース Footloose 歌詞の意味・和訳 ケニー・ロギンス最大のヒット曲となった映画主題歌

Kenny Loggins Webサイトへのリンク

『Footloose』を収録したアルバム『Footloose: Original Motion Picture Soundtrack』(オリジナル発売年:1984)

ご寛容ください 拙演(YouTubeへのリンクShiro Aonuma @bandshijin『Footloose(Kenny Logginsの曲)心のままにdance!【ギター弾き語り・寸評つき】』)