Mr.Children終わりなき旅』(1998)を改めて聴いた。

私がこの曲を初めて聴いたのは中学生の頃だった。それから高校生になっても引き続き聴いた曲。

改めて聴いたが、転調が多い。

要のEメージャー

曲の要になっている調はEメージャー。最初のヒラウタがこの調になっている。だけれど、オープニングは長2度上のF#メージャー。曲が起こってすぐに、もう転調する。F#メージャー(イントロ)→Eメージャー(ヒラウタ)。

このEメージャー調は、ラストのサビで再登場する。この曲は転調してサビに行くので、1回目のサビの調はCメージャー。3回目でDメージャーへの転調を経て、さらに長2度上がってEメージャーが登場する。調としてのEメージャー調は再登場なのだけれど、サビでのEメージャー調はここが初出である。「ヒラウタから転調してサビに行く曲」であるにも関わらず、ヒラウタで使った調があとでサビにも出てくるという特殊な構成。

この設計に、私は「旅」を感じる。

人間、生まれる場所は選べない。この曲の生まれる場所を冒頭の「F#メージャー」としよう。そこから、自我を獲得する。これをヒラウタの「Eメージャー」としよう。そこから1度目のサビで、ヒラウタからみて長3度下の関係にあたるCメージャーにいく。「新天地」とか「新境地」を感じる。主調から見て長3度下にあたる長和音の響きの特徴だ。

大サビ(ヒラウタでもサビでもない、変化の部分)ではサビのCメージャーの同主短調のCマイナーが出てくるが、すぐにCマイナーの平行調のE♭メージャーを感じさせる音階とコード進行に移る。そしてFメージャー調で冒頭のF#メージャーのときと同じ部分を再演し、ⅣにあたるB♭の長三和音から長2度上行を3度経て、「要のEメージャー調」のヒラウタに戻る。転々として、また原点に戻るのだ。Mr.Childrenは1997年頃からこの『終わりなき旅』のリリースまで、一時休止していた。現実と楽曲の構造が重なる。Mr.Childrenがフィクションの量産に甘んじるバンドだったら、この名曲はなかったかもしれない。紛れもなく、真実を削って生み出された己の命の讃歌だと思う。

7分超。これほどのサイズの曲を夢中になって何度でも聴いてしまうのは『終わりなき旅』くらいだ。

最近のMr.Children

おカネの切れ目が恋のはじまり

TBS火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』の主題歌を担当することが8月18日に発表された。松岡茉優、7月に亡くなった三浦春馬ほかが出演。全8回の予定だった構成を全4回に書き換えての放送。Mr.Children新曲のタイトルは『turn over?』。

映画ドラえもん のび太の新恐竜

テーマソングの『Birthday』『君と重ねたモノローグ』は3月リリース。Mr.Childrenの現時点での既発表最新作。

青沼詩郎

Mr.Children

http://www.mrchildren.jp/

ご笑覧ください 終わりなき旅 カバー