続きを読む 谷澤智文の宇宙 変化し続けることを重視した彼の生き方がおもしろい。ただの取り巻きの1人としても発見がある。自分もそうありたいと思う。改めて尊敬したし、彼のファンとしての自分をアップデートした。
続きを読む 虚構の理想の歌 『天国のキッス』松田聖子 松本隆に寄せて 現実の恋愛の歌であると同時に、虚構の理想の歌でもある。歌い手も聴き手も、どこにもいない。そんな気にさせられる。ちなみに松本隆が71歳になる今日(2020年7月16日)、これを書いている。おめでとうございます。
続きを読む 幽霊部員の小踊り Ray Parker Jr. 『Ghostbusters』 ときにくすぐったいような声の出し方、発声をはじめる瞬間の、2枚の声帯がゆっくりはじけてこすれるみたいなニュアンス。笑い声。ボーカリスト、レイ・パーカー・ジュニアの表現力に唸る私。シンセのかっちりした明瞭なサウンドを基調に、少し奥の方に左右に定位を分けてリズムとリードの歪んだギターが数本ダブってある。いかにも80年代全開で最高だ。
続きを読む 岡村靖幸『ビバナミダ』 打ち込みへの道 打ち込みの音が入っている。シンセ系の音も多いが、どれくらい手で演奏しているのだろう。それでいて、たまらなく私の心をつかむ。サビのすこし濁ったキュウンとなる和声なんか最高だ。
続きを読む 詩人による詞 『TAKESHIの、たかをくくろうか』 2018年1月に「谷川俊太郎展」を観に行って初めてその存在を知った曲だ。会場内のひとところに、ラジオみたいなものが棚いっぱいに置いてあって、そこから谷川俊太郎が作詞した音楽がつぎつぎ流れるというギミックの展示があった。『鉄腕アトム』なんかも流れていたけれど、その中でひときわ心を引くのがビートたけしの歌声を含んだサウンドだった。作詞は当の谷川俊太郎。作曲者が坂本龍一だったのに驚いた。メージャーセブンスのもどかしい響きを用いた印象的な美しい曲だと思った。会場で、帰路で、自宅で、熱心に私はこの曲を何度も検索しては聴いた。
続きを読む 梅雨の夜空にジョン・レノン John Lennon & The Plastic Ono Band『How Do You Sleep?』に思う 眠れないような、やきもきした気持ちがあったのは、ジョン・レノン自身かもしれない。そんなジョン・レノンでさえ、ジョン・レノンにとっては歌のネタとして、第三者のジョン・レノンとして切り取ることが出来たのだ。もちろんそこに当てはまるのは、世間一般にいうようにあくまでポール・マッカートニーなのかもしれない。
続きを読む 長澤知之『ソウルセラー』に心を浸す 自分を、否定するもんじゃない。長澤知之の『ソウルセラー』が、そう言ってくれているような気もする。“小銭”は卑しくて小さい「私」のことかもしれないからだ。鳴らして行くんだ、それも“優雅に”なんだ。勝手にそう思って、私は心をこの音楽に浸していく。曲の解釈はいろいろでいい。『ソウルセラー』を、私は勝手にそう感じた。