まえがき
スピッツ草野マサムネさんのラジオ”ロック大陸”を聴いていたらキャロル・キングの名曲『I Feel the Earth Move』が流れてきました。何度聴いてもすごいし、アルバムの存在と影響も絶大です。楽曲を紹介する草野さんの声で聞く『空が落ちてくる』という邦題のインパクトもあらためて、観念がバグっているような楽曲のポテンシャル、可能性を思わせます。
I Feel the Earth Move Carole King 曲の名義、発表の概要
作詞・作曲:Carole King。Carole Kingのアルバム『Tapestry(つづれおり)』(1971)に収録、シングルカット。
Carole King I Feel the Earth Moveを聴く
1拍目、2拍目をズンズン・ジャッジャッ!と分割する押し出し、グルーヴでぶいぶいいう気概、移勢を得てビートがブルブルふるえていく。地面が動いているみたいだ!というエネルギー、バイブレーションが演奏の機微からうかがえます。
右にエレキギターがひらきます。間奏のかけあいは左に振ったピアノとのかけあいが圧巻。ソロの終わり際の下行音形が闊達で、まさに「空が落ちてくる」の邦題を体現するようなスリリングなプレイをさも平静な顔つきでこなします。
ヘッドフォンで改めて聴いてみて気づいた意外な点は、中央付近のメインのピアノはもちろんいるのですが、左の定位にもピアノトラックがいた点です。右のギターとかけあったり、流麗でフックの効いたカウンターやオカズめいたフレーズは左定位のピアノが担っているサウンドだったのです。つまりメインの弾き語りのピアノトラックとは別に、リードやオカズ・カウンター的な役割のピアノがダブってあったのですね。キャロル・キング自身のプレイによる重ね録りかなと思います。
ベースとドラムのプレイは堅実・実直な感じもしますがエイトのズンズンチャチャ的な分割以上に細かい分割でテクスチャを魅せていくところもあり、出たり背景に溶けたりのバランス感が絶妙。良いバンドですね。
青沼詩郎
参考歌詞サイト >I Feel the Earth Move
Official Website of Carole Kingへのリンク
『I Feel the Earth Move』を収録したCarole Kingのアルバム『Tapestry(つづれおり)』(1971)