サカナクション『新宝島』 作為のおかしみ

カラオケビデオにしろ『新宝島』MVにしろサカナクションのソングライティングとアレンジメントにしろ、倒錯のおかしみがある。これを私は、彼らが仕掛けた作為と認める。そこが私にとっての彼らの魅力。サカナクションの存在を知っていつつも、私はこれまで、なんとなくすれ違ってきてしまっていた。今後も彼らの仕掛けるおかしみに期待。同時にこの期待感は、私の彼らに対する現時点での勘違いを発端とするものかもしれない。サカナクションを追っていくと、そこにまだまだ何かありそうな気がする。

Stand By Me のこと

Stand By Meは、高校生のときバンドでやった。それからミュージシャン仲間があつまって何かセッションをやろうというときに、みんなが知ってる曲の代表のように提案されることの多い曲だった。原曲はベン・E・キング。死体をさがして線路をあるく少年たちを描いたアノ映画につかわれた。ストリングスが高らかに歌う。

10-FEET『FUTURE』 心揺らぐリビング

『RIVER』は自分の中の風景と心象をクロスさせ、懐古の趣を引き金に感情が噴出する。こちら『FUTURE』は、「いま」の自分の嘆きに未来の自分がIt' All Right.と肩を組んで言ってやっている感じ。これがちょうど昨日今日とモヤついていた私に重なって共鳴した。ウンチョコDJ、家族のいるリビングで泣いちゃうかと思ったよ。

ペルソナ4 大雪とゲーム熱

ペルソナ4の音楽は素晴らしい。すっきりとした線、輪郭、ほどよくアニメ・漫画の絵になっている洗練されたポップなビジュアルと相まって気持ちのよいエンターテイメントになっている。登場人物たちとの関係を深めたり、ペルソナを増やして強くなったり、謎を追うストーリーを進めたりと夢中でコントローラーを握りつづけてしまうのだけれど、その過程にずっと付き添って気持ちよくさせてくれるのが音楽だ。これがすごくいい。R&Bっぽい洗練された雰囲気が主だ。

夢で見たアイドルのめっちゃいい曲 The Beatles、松田聖子、SMAPを思う

アイドルの歌って、あまりいいイメージがない場合が多い。それは実際に、ハイスピードに量産される現代のアイドルの曲が劣化しているのもあるかもしれないし、もうひとつには手触り(サウンド)の問題があると思う。それっぽい音作りにハメてしまうことで、いい曲なのに「ただの凡百のアイドルソング」として埋もれてしまうことってあるんじゃないか。これは邪推で言っている。私にはアイドルソングに対する博愛が足りないし、知識もない。これからもっと研究するべき分野でもある。

映画『#ハンド全力』を観て 変化はグラデーション

熊本の震災と、その後、そして現在。それらは、すべてつながっている。どこにも切れ目はない。報道が関心を示さなくなったら、外部の人にとっては「切れて」感じるかもしれないが、そこで生きる人、その心はずーっとずーっと、「コンティニュー」。無段階に続き、絶えず変化したり現状維持に努めたりして光り続けている。だから、先程の「現在と過去をつなぐシーン変移」の演出は、あながちただの技法の話で終わらない。この映画で最も着目すべきテーマの象徴ではないか。

eastern youthとゴールデンカムイと縄文ZINEとFUJI ROCK

eastern youthの名前はもちろん知っていた。その音楽を、きちんと意識するきっかけだったのが、アニメ『ゴールデンカムイ』のテーマソングになっていた『時計台の鐘』だ。泥臭くてすごく良いなと思っていた。語彙が陳腐で申し訳ない。ごく実直に、カッコイイなと思ったのだ。そうして知っていたeastern youthが、今朝私の前に2018年のフジロック出演時のライブ動画『夏の日の午後』で私の前に現れてくれた。なんて素敵な。