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木村カエラ『Butterfly』 運命の花 蝶(調)の旅

お互いを見つけるまでにさまざまあったろう。曲中の転調はそうした紆余曲折をあらわしてもいるよう。あるいは、運命の花はこれからふたり(チョウ)が築く場(家庭)のことともとれる。ふたりが出会い、一緒になることで運命の花が咲く。チョウは運命の花で命を養い、舞う。青い空を背景に。
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10-FEET『FUTURE』 家族のいるリビングで泣く

『RIVER』は自分の中の風景と心象をクロスさせ、懐古の趣を引き金に感情が噴出する。こちら『FUTURE』は、「いま」の自分の嘆きに未来の自分がIt' All Right.と肩を組んで言ってやっている感じ。これがちょうど昨日今日とモヤついていた私に重なって共鳴した。ウンチョコDJ、家族のいるリビングで泣いちゃうかと思ったよ。
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eastern youthとゴールデンカムイと縄文ZINEとFUJI ROCK

eastern youthの名前はもちろん知っていた。その音楽を、きちんと意識するきっかけだったのが、アニメ『ゴールデンカムイ』のテーマソングになっていた『時計台の鐘』だ。泥臭くてすごく良いなと思っていた。語彙が陳腐で申し訳ない。ごく実直に、カッコイイなと思ったのだ。そうして知っていたeastern youthが、今朝私の前に2018年のフジロック出演時のライブ動画『夏の日の午後』で私の前に現れてくれた。なんて素敵な。
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小山田壮平『THE TRAVELING LIFE』 「壮」なアルバム 〜ファースト・インプレッション・ノート〜

FM802『BINTANG GARDEN 小山田壮平のMUSIC FREAKSりたーんず』(8月23日)の放送の中で、リモートトークゲストの岸田繁は小山田壮平のそれを指して「へんなおじさんのアルバム」と表現した。「壮」には、「おとこらしい。つよい。血気盛ん。達者。」そんな意味があるらしい。厚生労働省提言における定義の中でも、小山田壮平や私の現在の年齢は「壮年期」に区分される。偶然か小山田壮平の名前にも付されたその文字の意味を思う。アルバム『THE TRAVELING LIFE』がそれに重なる。少年〜青年を経た旅のいま、これからを思わせる「壮」なアルバム。これからも「へんなおじさん」の動向を見守りつつ、愛聴していきたい。
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BUMP OF CHICKEN『ダイヤモンド』 省押韻の歌詞とサンドイッチ構造

歌詞に、押韻が少ない。「押韻に頼らない」というのが的確だろうか。歌詞を書くときに、押韻は手引きになる。それは同時に「押韻依存」に陥り、主人公の存在感や心情描写を希薄にする可能性を孕む。登場人物の心情や関係の変化。気付き。自分を見つめ直す目線。そのまなざしがそのまま歌になっている。そこには私にとってのリアルな藤原基央(BUMP OF CHIKENのVocal & Guitar。『ダイヤモンド』作詞・作曲者)の姿がある。
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Mr.Children『終わりなき旅』 旅のターミナルはEメージャー

曲の要になっている調はEメージャーだ。このEメージャー調は、ラストのサビで再登場する。この曲は転調してサビに行くので、1回目のサビの調はCメージャー。3回目でCメージャーからDメージャーを経て、さらに調2度上がってEメージャーが登場する。Eメージャー調としては再登場なのだけれど、サビでのEメージャー調はここが初出である。「ヒラウタから転調してサビに行く曲」であるにも関わらず、ヒラウタで使った調があとでサビにも出てくるという特殊な構成。この設計に、私は「旅」を感じる。