続きを読む アン・ルイス『おぼえてますか』夏のその後 〜理性と執着〜 夏を、その後から描く歌詞の妙。季節の歌大好きというか、その国・その地域に暮らし、育む文化は自然にか人工的にかそうなる。短調、3拍子がツボ。川口真の作編曲美。
続きを読む デザイナーと趣味人 大滝詠一『水彩画の町』 〜額縁のなかへ〜 好きなことを続けるのは問い。仕事の達成は解。Vaundy、大滝詠一、私自身の並列、それも心の網です。『水彩画の町』をきっかけに乱筆しました。
続きを読む 梓みちよ『メランコリー』 さよならの緑、喜多條忠の赤紫 緑のインクにさよならの意味がある? Greensleevesの緑色と不吉の類の関係を思い出す。メロディやコードは1コーラス中には大きな反復の無い構成。細切れにするとFメロにまで到達か?! 拓郎さんのユニーク作。
続きを読む 『ジュクに風が吹く』李麗仙 虚実の新宿 限られた人のみの間で通じる名詞(ことば)を用いて、パーソナリティを表現できます。業界用語をつかわせれば、その登場人物に「業界人」のキャラづけができるという具合。実在する街にも、人の数だけ真実の姿。虚実混じる幻想か。
続きを読む 山本リンダの歌声 渡り歩く人柄 肉食のケモノ。かまってくる相手をほんろうする幼児。おしゃれな夜の街をうろつく遊び人。山本リンダを、いろんな人がらが通り抜け、交差し、横切っていきます。いろんな人の中にいる人が入れ替わりつつあらわれる。歌手はイタコです。
続きを読む 泉谷しげる『黒いカバン』事実のナナメ上の漫談 実話でしょうか。自分もおまわりさんに止められた経験を思い出します。ライブ演奏される機会も多いようで、だんだんパフォーマンスが過激に。漫画『ハコヅメ』であっち目線を知ると喜劇として俯瞰しやすくなります。
続きを読む 平山みき『希望の旅』不安と全能 長短の平行調 パッとBメロで開ける視界。平行長調へ。徐々にもとのFmにうつろいます。筒美京平さんのサウンドはファッショナブルでエキゾチック。メロディは万人にフィットする美人。コード進行はドラマティック。歌詞の展開を映した妙です。
続きを読む オフコース『眠れぬ夜』 カタルシスの全終止 感傷を清く滑らかな質感で描きます。言葉と音楽の関節がやわらかいソングライティング。A・Bメロでただ一度の全終止にカタルシス。眠れぬ夜や雨の日と愛の記憶はどちらが先か。真ん中にハイライト、山なりの図形が浮かぶ構成です。
続きを読む 沢田研二『勝手にしやがれ』 己、貫く美。 絢爛なイントロは再現のない特別仕様。“アアア…”のリフレインでベースとボーカルメロディ間の波高が上がっていきます。コンパクトでキレ良く余韻もある歌詞。ジュリーの歌唱の妖艶。疾走する間奏・後奏の移勢。鮮烈です。
続きを読む Neil Young『Heart of Gold』 ずっと、マイナー。 金を追う。老いていく。それでいい。私はminerなんだ。ずっと探していくんだ。その姿こそが、真実の金なんだ。私はニールの『Heart of Gold』に感動を覚えます。最高に好きな曲。シンプルな音・編成の構築も大好きです。
続きを読む 小坂忠『しらけちまうぜ』 哀愁の別れ際 さよならベイビイ 言葉の扱いが丁寧な歌唱、グルーヴィな演奏が絶好。颯爽とした別れの態度は本心なのかモーションなのか…「しらけちまうぜ」ひとつで膨らむ想像。コンパクトな曲想ゆえか、余白に鑑賞者の思いや発見が満ちてきます。
続きを読む かまやつひろし『どうにかなるさ』 愛の自覚者 100通り1000通り10000通りの人生があったなら、二人で至る幸せもあったのか。主人公は変化をのぞむ性格のよう。希求者であり、成長をのぞむ人。変わり続ける中に変わらないものを見出す…特定の人と歩み続ける幸せには遠い人か。