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稲垣潤一『クリスマスキャロルの頃には』 「離れる」をやって、見る。

主人公と相手の関係は、少なくともクリスマス当日前後の1日〜2日間、その「点」を境にどうこうなるものではない……そんなうっすらとした冷ややかさを、主人公は深まる冬を前にして、肌で感じているのかもしれません。“離れてみればわかるらしい” はいろんな意味で真理に思えます。「見る・試みる」二重の意味に聞こえるのです。