続きを読む THE BLUE HEARTS『ラブレター』はなぜ美しいか 要所の3度のハーモニー コードの平易さ、言語の平易さを守った上で独創性を発揮するのは至難の技であり、それを実現しているのがTHE BLUE HARTSの尊敬すべきところのひとつだと思っています。
続きを読む YMO『君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-』 精通者の純愛 柄にもなく純情な気持ちで胸をときめかせている主人公とは裏腹に、お相手のほうは肉汁したたるモーションだったとしたら……この絵図にはおかしみがあります。音楽精通者グループの最後期にまさかの胸キュン。
続きを読む 岩崎宏美『すみれ色の涙』 現実の無情の滴り ブルー(青)に、現実の無情が滴り落ちると「すみれ色」に。一般と固有、淋しさの本質、平行調へつながるⅢ7、編曲:萩田光雄の妙技……知る・思うこと満載でした。原曲はジャッキー吉川とブルー・コメッツ。
続きを読む フニクリ・フニクラ 冒険心あおるCMソングの元祖 呪文みたいで可愛い「フニクリフニクラ」は登山電車「フニコラーレ」の愛称。変拍子っぽく聴こえる、小節線を無視したようなトリッキーなモチーフの割り付け、奇数小節フレーズ。ⅢmやⅤへの部分的な転調。サビ後半の転々とした和音進行と怒涛の同音連打「フニクリフニクラ」。登山鉄道の広報・宣伝の機能を満たし、主人公に想定上の相手役を配したアツいラブソングにもなっています。和音や調の進行にも起伏があり、音形もゆたか。ケーブルカーに乗った火山観光の冒険心をあおる秀でたCMソングです。ノリが良く親しみやすいメロディやリズムを持ったフニクリ・フニクラは「おにのパンツ」ですら許す器の大きい曲。
続きを読む 松田聖子『瑠璃色の地球』 ミクロの向こうのマクロ 平井夏美の音楽の語彙の豊富さ。こりかたまった心に染み入る松本隆の言葉つむぎ。音楽とことばを透明に映しとる松田聖子の歌唱。Cメロ(大サビ)の緊張の連続に「おっ」と思い、それをきっかけに細かくみていくほどに良い曲。裏表のない美しさに出会えた稀。普遍を究めるほどに、いろんな個人や社会の境遇に響くのです。さながら、三賢人の楽船か。
続きを読む RCサクセション 君が僕を知ってる 規範を否定する規範 歌い出しの歌詞は不変の仲とは何かの思考をくれます。友達ってそういうものでは。音源を聴けばさまざまな彩りが気付きをくれますが、それ以上の主題をこの曲は含んでいます。音楽で、音楽以上のものをやっている。そんな気にさせる偉業であり、なのにこんなにも愛嬌がある。
続きを読む めだかの兄妹 就寝前の箴言 一見ゆるいお遊戯。萩本家3姉妹、就寝前設定の「欽どこ」。姿かたちの似た種でスケールアップする想像(あるいはペンギンのオチ)。大きくなっても種族までは変わらないの正論で覆す。歌いやすく平易なリズムで抑揚・ポジ取りの妙。深読みゃ箴言。
続きを読む I Just Called to Say I Love You 心の愛 スティーヴィー・ワンダー 恒常の振れ幅 映像 1984 受話器を片手に歌っています。右から彼を写したカット、左から彼を写したカットが切り替わ...